人間国宝堅田喜三久氏に惚れ惚れ~♡
人間国宝・堅田喜三久(=かただきさく)氏を紹介しているNHKの日本の芸能を観ました。コロムビアのオフィシャルホームページからの引用のプロフィールを添付すると➔[[歌舞伎長唄囃子の第一人者。本名安倍康仁。叔父三世堅田喜惣治に学び、堅田康仁を経て昭和28(1953)年に喜三久。その後はほとんど独学で囃子を学び、鳴り物のマルチ・プレーヤーとして活躍。平成11(1999)年重要無形文化財保持者(人間国宝)の認定を受ける。
歌舞伎長唄の囃子だけではなく、現代音楽、ジャズ、オーケストラのほかあらゆる三味線音楽で鳴り物が必要とされる場合にこの人の名前を見ないことはない。
またアメリカ、カリフォルニア大学ロサンゼルス校U.C.L.Aで囃子の講師をつとめたのをきっかけに昭和57(1982)年「アメリカ堅田会」を結成するなど、海外での活動にもすばらしいものがある。芸術選奨文部大臣賞をはじめ受賞多数。NHK邦楽技能者育成会講師もつとめる。]]➔➔➔と、こう読むととても堅苦しい感じの人間国宝にまでなった近寄りがたい凄い人ってイメージになっちゃうんだけど、番組に登場した堅田氏を3秒見ただけで、その思い込みが大間違いだとすぐにわかりました。
明るい!元気、マイペース!ざっくばらん!屈託がない!やんちゃ?のびやか~~。写真でもわかると思うけど、おっ茶目ちゃめちゃめ♡父は11代目太左衛門、母は杵勝系の三味線弾きという由緒あるお囃子の家に生まれながら、15才までは鼓をヤル気がなくて、子供の頃はマンガ家になるのが夢だったそう(そこだけ似てる~)。お顔や姿、名前を知らなくても、音を聴いたことがある人は多いはずです。昔の富士フィルムのCM「お正月を写そう、ポン、・・・」のポンという鼓の音とか。。。(もしかして世代的に知らない人が多いのかな?樹木希林さんの出演していたCM)
8歳で堅田喜作となり、兄は望月長作。望月と堅田は兄弟社になります。兄は歌舞伎の道を進み、喜三久氏は全く別の道を進みました。海外公演やUCLAの臨時講座として20年間に渡り出稽古もしたそうです。身軽で自由だな~。人間国宝認定の食事会で、天皇陛下から「海外に広めて下さい」と言われて、いろいろな所で海外公演にも行ったそうで、ジャズなどジャンルを超えたミュージシャンとの交流もとても多いそうです。ちょっと面白いのが「派遣費用は出たが、足が出た。ははは」という逸話。良い演奏会をやろう!と気合いがはいると、つい採算度外視して赤字になるのは、偉い人も同じなんだね(^。^)鼓を構えた時だけは、表情がピリっとなるのが印象的でした。
また、中村富十郎と仲が良かったので、富十郎氏の舞台の時は松竹の囃子方を使うのが常のところ、マネージャーも通さずに出演依頼が直接来ることもあったと笑いながら話していました。とにかく笑いが絶えず、お話も面白くて楽し~。なんでも15歳過ぎて自然にこの道に入ったけれど、父はもう他界していたので兄が師匠だったんだって。だから「本番の帰りに劇場の入り口で大喧嘩したり、、、といかくしょっちゅう喧嘩しながら稽古をしてたね、ははは。」
煙草は?吸う。売れっ子なので時間ギリギリに駆け込むこともしばしば。でも、一瞬でピリリと芸の空間に溶け込み、周囲をひっぱる。アーティスト写真やジャケット写真を見てくだされ。きりりとカッコイイでしょう?
でも、番組を観ていてMariが一番ウケたのは、彼が次作の現代曲のような作品を演奏しているシーンでしたなり♡喜三久氏は自分の周りに邦楽の楽器中心に打楽器をセット。正座して演奏しているんだけど、ある箇所になると突然忙しく次々と楽器を持ちかえまくりながら演奏!その合間に、なんと唐突に空を向いて「アオ~~ン♪」と犬か狼の遠吠えを・・・!!!
現代音楽やフリージャズのソロでは、Mariだけでなくみんな時々似たようなことをやるけれど、人間国宝の方が「アオ~ン♪」には、ほんとうにビックリしたなーもー(@v@)自由でしなやかでステキ♡古典の演奏で兄の望月長作氏と並んで演奏する場面があったけれど、零コンマ以下の絶妙なタイミングとスピード感のある音の掛け合いと緊迫感に、気付けばテレビの画面に鼻がくっ付きそうになってました。当たり前だけど、ハンパない!
団十郎さんの舞台で演奏している場面も、グイグイと舞に突っ込んで真剣勝負しているような緊張感とピッタリ息の合うカンジが凄かった~。鼓が団十郎さんに仕掛けてる感じなの。お互いがニヤリ・・と楽しみながら芸を昇華させてお客さんを惹きつけて高い所に持って行ってるんでっする!!!Mariが昨年、国立劇場(小)で、おそれおおくも一流のお囃子方の演奏で踊らせて頂いた経験では、今まで邦楽や舞踊や歌舞伎の舞台で気付かなかった色々な事や醍醐味を学んだり感じることが出来ました。
日本舞踊も謡、三味線、笛、お囃子と、踊り手のセッションで、引っ張ったり引っ張られたり、仕掛けたり仕掛けられたりしながら、高い次元の舞台を作るんだってことを、先生とお囃子方の舞台、他の名取さんや各レベルの生徒さんそれぞれ、一番ぺえぺえの自分の舞台から感じとり、それ以来、玉三郎さんのDVDや歌舞伎の舞台や舞踊の舞台の見え方が変わりました。有り難い事です。
そして、演奏者の本気を引き出すのは踊り手次第だという、怖~い現実もガッツリ体験し納得。考えてみればこれは洋楽も同じで、メインの歌手やアーティスト次第でバンドの本気を引き出す事も出来れば、出来ないこともある。同じバンドが自分次第で全然違うサウンドを奏でるという、怖い現実があるのだ。。。バンドが手を抜いてるんじゃなくて、なんていうか、こう、ゴキゲンでちゃんとした演奏のもうひとつ先、もうひとつ上、もうひとつ奥の熱いプラスアルファの熱気やうねりや、楽しさの世界まで一緒にイケるかどうかっていう感覚があるんです(>v<)
踊りの会では、初心者で超へたっぴだったので、演奏者のみなさんを奮い立たせるなんてことは遠い彼方のことでした。ただ、演奏を聴き、感じる力はあるので、余計にその現実をシビアに突き付けられたのでありまっする。悔しいし悲しいけど・・バネにするっきゃないね(^^)そうそう!喜三久氏のトークで、もうひとつ、物凄く印象に残ったのは、その事だったんです。「どんな下手な踊り手でもね、俺は100%以上でやる。どんだけ引き出してやれるか、、、面白いじゃない?絶対100%でやるよ。これだけは自慢できる」。一流の演奏者の方でも、踊りの会のオファーを受ければ、そこの師匠のために舞台に立つことも多いそうで、当然、会ではお弟子さんも踊るから、まあ、様々なレベルの踊り手さんのために演奏する事も少なくないみたいです。だからこそ、の言葉だったんだと思うけど、数時間に及ぶ長い長い踊りの会ですべての踊り手に100%以上で向き合うのは心身ともに大変な体力が必要。すごいことです!
それから、喜三久氏の楽器がステキで惚れ惚れしました。あと、「どうせやるなら、自分が思ったように好きにやる。」という言葉も、深く印象に残りましたなりん。一流の方の言葉だから、全く同じようにマネるわけにはいかないけれど、ううーーーーん、たしかに・・・と考えさせられました。いや~、すげいじっちゃんです。youtubeで動画も観られるので、興味あったらぜひ!