卒業シーズン、伊豆大島高校公演の思い出(7)

伊豆大島公演の思い出ストーリーシリーズです。伊豆大島は今、椿の季節の真っただ中。このシリーズを始めてから、本屋さんでもついつい椿の写真本や図鑑を探してしまいます。(^^)ほんとにほんとに、いろんな種類があって、名前がまた風流でステキ。侘助、白鶴、都鳥、三笠の月、春の曙、太神楽、天輪時月光、眉間尺、等々♡さて、ストーリーは主観たっぷり自分の世界に入ってしまってますけど、気軽に読んでください♪ 卒業シーズン、伊豆大島高校公演の思い出(1) 卒業シーズン、伊豆大島高校公演の思い出(2) 卒業シーズン、伊豆大島高校公演の思い出(3)  卒業シーズン、伊豆大島高校公演の思い出(4) 卒業シーズン、伊豆大島高校公演の思い出(5)  卒業シーズン、伊豆大島公演の思い出(6)から続けて読んでね?

 

たかどうかわからないうちに、もうすぐ大島に到着する時間になっていた。MariTAMTAMまり以外の女性陣は洗面所でメイクを終えていた。Mariひどく酔っていてメイクは無理~。

洗面所に行ってみると、簡素な洗面台がいくつか並んでいた。鏡もついている。蛇口をひねると水が出たので手を離すと、ビゴッと元に戻って水がとまってしまった。あれ?また蛇口をひねると水は出る。けれど離すと勢いよく蛇口が戻って水が止まる。ずうっとひねり続けていないと自動的に閉まってしまう作りなんだ。なるほど。一滴でも無駄にならないようにしてあるんだね。船では水は貴重なんだなぁ。

酔ったと言葉にすると周りに迷惑をかけるので、「酔ってない酔ってない」と呪文を繰り返す。うう~~~っぷ

 

<ついに、大島到着!>

陸に降り立つと、ちょうど夜明けで、空がうっすらと明るくなり始めていた。このカンジ、伊勢神宮の早朝参拝を思い出した。よっしゃ!頑張るぞ~!よろしくお願いします!

島が歓迎してくれている気がした。気のせいかもしれないけれど、そう感じたから、そういうことなのだ、うん。船が着いたのは大島の中で、本土に一番近い小さな小さな港だ。風は強いが港に雪はない。ほとんど溶けてしまったそうだ。きのうの夜が嘘みたい。あれは何だったんだ?

 

この依頼を受けた時、制作会社の方に非常識なMariTAMTAMまりが「大島って沖縄みたいに半袖でいいですか?」と聞き返し、会社の皆さんが「さすが天然のMariまりさん」と失笑したそうだが、でも想像よりは暖かかった。(*乗った船は先日ブログに載せた船の写真じゃなくてこっちの船かな~~???)

先生直々の運転でのお迎えの車に乗り込んで、急いで大島高校に向かう。2時間弱で式典が始まってしまうので、その前にセッティングから音チェック、全てを終わらせなくてはならない。

学校は新しい感じで、大きくてとてもきれいな体育館だった。玄関左手の靴箱の上に、いろいろな種類の椿の盆栽が15鉢くらい並んでいる。こんなに様々な種類があるんだと驚く。ずっと後で知ったけれど、この大島高校は農林課があって素晴らしいつばき園を造っており、観光名所にもなっているそうだ。見たかった!ネットで検索すると大島で見られる美しい椿の花々が見つかる。多くの椿が大島高校の写真だ。そして昨年2016年2月26日に教育機関としては初めて、国際優秀つばき園に選ばれたとのこと!!おめでとうございまする!

玄関からまっすぐ入るとすぐ正面に手すりがあり、乗り出して下をのぞくと、自分が体育館の後ろの2階にいることがわかる。手すりから見える下の階は広いきれいな体育館で、すでに椅子がならび、一番奥が舞台。客席は舞台寄りに生徒さんの椅子が並び、その後ろに一般客用の椅子。

両サイドには、先生方用の椅子と、町長さん始め町の顔役さん来賓用の椅子が並ぶ。

玄関入口から、下の体育館フロアに降りる階段の踊り場には都はるみさんのポスターやメッセージが張り出され、曲が流れていた。

あ!そうか!「あんこ椿」って曲、あったっけ。あれ、大島の椿の歌だったのか!事前のリサーチ不足が悔やまれた。調べると、「あんこ」は「お姉さん」の意らしい。

本当は前日入りの予定だったので、前日に先生や地元の方に町の音頭の振付や歌を教わるつもりでいたのだが、来る前に東京で自分で調べておけばよかったのだ。そうしていれば雪が降ろうが何が起ころうが、ぶっつけ本番でも地元の皆さんともっと楽しく、一緒に大島音頭を踊ったり、あんこ椿を歌えたのだ。(>。<)自分の詰めの甘さ、痛恨の極み。一期一会なのに、、、、、、でも、もう言っても始まらないので、二度と同じミスはしないぞと心に誓いながら、準備にとりかかった。

体育館の壁には、大島高校の70年の歩みの写真や、生徒さん達のクラフト作品が展示されていて、歴史を感じた。とにかくバタバタとチェックを終わらせ、玄関横の部屋(楽屋)に引き上げ、メンバー、スタッフがそれぞれ支度しているうちに、式典が始まった。

何人もの方が挨拶のスピーチをしている。聞いていると、「被災を乗り越えて」「復興にむけて頑張らなくては」「希望を持ち続けよう」等と、けっこうストレートな言葉が繰り返されている。前日に島を少し周る予定も大雪でナシになってしまったので、港と学校しか見ていないから、被災の実態が把握出来ていないので、実際の被害はどんなだったのだろうか?と、ちょっとドキドキした。