片山九郎右衛門「藤戸」を初体験(2)能舞台床下のからくり

ストーリーから、ちょっと横道にそれちゃうけど、音も凄くて感動しました!!!地謡の人達が低音のユニゾンで謡う声がたまりません~。ハーモニーの響きも魅力的だけど、低音のユニゾンの魅力はこれまた格別。(チベット密教の大勢のお坊さんが重低音ユニゾンで読経しているレコードとか(LPレコード!)学生時代大好きでした。)(>v<)それに、日本語なので一生懸命聴いていると、何を言ってるかわからなくもないし。。。でもしかーし、それ以上に、シテの老婆が、ひとりで息子を殺された哀しみと恨みの台詞を言う重低音の非常によく響く深い声は、もう、それだけで(おおおぅ)って五感が虜になってしまうのです~。能面をつけているにもかかわらず地の底から響くような声。どういう発声をすると、ああなるんだろう?マイクも仕込んでいないし、、、スゴ過ぎる。。。。。というわけで後で調べたら、能の本舞台には、その素晴らしい声や足拍子、笛や太鼓の音色をPAなしで増幅させる工夫が施されていました。じゃかじゃん!本舞台は三間(5.5m)四方の舞台で檜板が縦に張られています。舞台や橋掛り檜板の床下には、ナント!大きな甕がいくつか設置してあってそれがよく響く音響効果を高めているんだって。常識かもしれないけど、初めて知りました(’へ^)

外からは見えないけれど、地謡座(舞台上手側の横面沿いに2列になって地謡の人が座る場所)の突き当たりにある貴人口(こほ写真だと右はしに半分くらいうつってます)の下あたりの羽目板が外れるようになっていて,体がかろうじて通るような小さい、床下への出入り口があり、床下は掘り下げてあるので、中に入ると立って歩ける空間に。能舞台の床下は観客が目にする舞台以上に入念に建造されていて、木造部分にも床が軋まないように様々な工夫が施されているそいうです。そして、それとは別に大甕が並べられている。(甕の寸法,形状,数,配置などは能舞台によって様々)。当時の舞台さん達が、練りに練った工夫なんだな~。効果は絶大だと思う。もちろん、舞台上で舞ったり謡ったり奏している人の元々の素晴らしさあってこその、増幅効果や、支えなんだけれど、その力や役割は大きいと思いましたなりん。