お勧めです📚澤田瞳子「火定」🔥文庫本が並んでるからぜひ👍

それは、ちょっとした油断?(自分達はまぁ大丈夫さ)という根拠のない希望的思い込み楽観的バイアス?によって始まった。”症状が出た時に”国内に持ち込むことを食い止めるためカミングアウトして➡自己隔離し治療を受ける”ことを、スルーして、こそこそとバレないように日常に潜り込み、自分の体裁や都合を優先させたほんの数人の海外からの帰国者によって持ち込まれた感染症。🚢同時に、過去に一度同じ症状の感染症の大流行で大変な目にあっていたにも関わらず、水際対策を緩いままにしていた国の危機感のない国策。🛫そして、仲間の1人が発熱して倒れたのを見ても、(これはもしや感染症では?)という知識や懸念があったにもかかわらず、知らない振りを決めこんでしまったため、またたく間に市中に拡がってしまい、全国に感染が拡がっていく。。。。。あ、これ、昨年のコロナ禍の始りの話じゃなくて、こちらの小説「火定」のお話なんです。Σ(・□・;)驚き桃の木🍑ほとんど同じ???📚この本、夏休みの読書にお勧め!👍最初に本屋さんで平積みになっているのを見た時は、表紙が激しめの仏画風なので、ちょっとドキドキしちゃいました。澤田瞳子さんの名前は本屋さんやブックオフにも作品がたくさん並んでいるので見知っていたけれど、買ったのは初めて。「さわだとうこ」って読むのも初めて知りました。💦💦

直木賞作家なのに読み方も知らず、ごめんなさいです🙇タイトルの「火定=かじょう」って何だろう?と思いきや、仏教用語の「火定入滅」からきていると紹介文に書かれていて、これまた凄まじそうな話だな・・・とドキドキ💓どうしよう、読もうか、気持ちが耐えられるか?と何回が迷った末に買って読んだのでありまっする。(🔥火定入滅=仏道の修行者が、自らを火の中に投じることによって、入定(にゅうじょう)すること🔥)そして・・・・・最初の2~3ページこそは慣れない平安時代の名前や地名にとっつきにくさを感じたけれど、気がつけば、あっという間にその世界に引き込まれていました。

「天平のパンデミック」と言われる天然痘の大流行の史実をもとに、様々な人々の葛藤が細やかに描かれていました。とっても人間くさいというか、自分の中にもある様々な体験や感情を見せられているようでした。大筋では、天然痘と闘い続ける何人かの医師やその周りの人達が主人公。階級社会格差社会を背景に渦巻く今も昔も変わらない人間の弱さや醜さ、憎しみや妬み、強さや美しさ。大事な人を失ったり命が危うい日々でもどうしようもない現実への哀しみや不安から生まれる暴力や群集心理。それを利用する人や翻弄される人々、武器も何もない状態で天然痘の猛威にさらされた時にむき出しになる人間性。多くの人の運命がそれぞれにくんずほずれつ絡み合い、全ての出来事は繋がっていて、出会いと運命の不思議がそれぞれの成長や人生を変えていく様も、想像をはるかに超えていて凄い。ドラマチックです。どれひとつとっても、何かを感じると思います。強烈な説得力をもって、迫ってくるんです。作者がコロナの前に書いていた作品なんだけど、今読むと、より一層「ああ!!!」と思い当たる出来事がいっぱいで、気づきがたくさんあります。

そして、なんてったって、物語としても、すっごく面白いです。🌟🌟🌟🌟🌟🌟🌟どんな状況になっても、希望を捨てずに闘い続ける人達がいる。恐怖心や群集心理に翻弄されず、正しい情報を見極めよう・冷静さを保とうと努めながら、出来ることをやり続けている人達がいる。現代も当時も全く同じ。最後の方には、大きな感動があり、きっと救いを感じると思います。ネタバレしたくないので、内容は書かないけれど、そんな感じの本です。(ってどんな感じや!?(笑))。。。とにかく、おすすめですにゃ🐯

 

そういえば、昔、図書館で外国人作家のハードカバーで面白そうなタイトルのモノを片っ端から借りて読んでた頃、「エボラ」というタイトルの本を読んだことがありました。凄まじい内容でした。読んだ後、しばらくショックで落ち込んでしまった・・・特に印象に残っているのは、村が手の施しようがない感染症に見舞われた時に、必死に現地の人達の看病をしていた医療現場の人達。国がある日、その村を封鎖して支援も何もせずに完全に切り捨ててしまったこと。

 

それでも封鎖された村で、医療チームは感染症と闘い続け、次々と人が闘いに倒れていく中、若い看護師さんが唯一生き延びられそうだったので、皆が希望を託して彼女を本国に送り出し、奇跡的に彼女は本国に辿り着いて窮状を訴えたんだけど、なんと、彼女の証言そのもの全てを政治的判断で抹殺してしまったという衝撃のシーン。。。(記憶違いもあるかもしれないのでごめんね)。。。小説家は、凄いなとつくづく思います。1冊の本にこれだけのことを描くんだもの。✨✨✨✨✨✨あ、「火定」の表紙は赤い炎の方で、黒い表紙は、その上にカバーになってかかってました。本屋さんでどっちの表紙が並んでるかわからないから、両方写真載せましたなりん。💪😎📚