アナタなら　どーする？

で、2人に荷物を持ってもらってギリギリで乗り込んだ電車は、近鉄京都線。もちろん最後尾の車両の最後尾の扉からよ～ん。車内は混んでて座席はいっぱい。ドア上部の停車駅のマップを早速チェック。えーと、乗り換え駅は「たんばばし」だよね？「タンババシ」っと。。。あれ？東寺に停まるの？え～～？？？橿原神宮前行きって・アノ橿原神宮？？？一瞬、奥吉野や高野山や京都の思い出の走馬灯がクルクル回り始めたけど、いやいやい！今はそれどころじゃない！（また今度、話すね？＾ｃ＾）　今、Mariは責任あるナビ役なんからね！(*・ω・)(*-ω-)(*・ω・)(*-ω-)ウンウン♪　丹波橋駅ね？あったあった３つめね乗り換え駅確認！

「Mari、どこで乗り換え？」「駅いくつ？」AbdouとDaimaが訊くので、停車駅マップを指さしながら説明。（写真は帰りに撮ったもの）ローカル線の風情ある東寺駅のホームに到着～。風情とは反対にかなりの人数がまたがががっと乗り込んできました。その時、背中も膝も丸く曲がったとっても小柄な、ボブくらいの長さの白髪のお爺さん（多分男性）が、大きなビニール袋とバッグを２つ両手に下げて、えっちらおっちらと乗ってきて、すぐそばの座席と扉の角のところに（Mari達のすぐそば。間に数人立ってるくらい）やっとこさ荷物を置きました。思わず、３人でそっと注目。特大のビニール袋からは、赤いプラスティックっぽい棒状のものなどや、他にも棒状のものが沢山のぞいているので、お爺さん侍が大活躍する剣術の江戸小説真っただ中のMariは（ああ、100均の刀のおもちゃっぽいから、キッズ関連のお仕事なのかな？）と思いました。

薄いグレーのシャカシャカのセットアップも、お爺さんが小柄なせいか、ぶかぶかだけど、清潔感がある。でも疲れ切った様子で、足も悪そうで、立っているのもやっとって感じで、右手が何かにつかまろうと時々ちゅうを泳ぐんだけど、この電車は座席端には、ひじ掛けより高めなパイプがあるだけで、いわゆる柱にようなパイプじゃない。お爺さんにとっては態勢的に難しいみたいで、つかまり損ねては、手を握ったりほどいたりする動作を繰り返し、ついに諦めた様子。Daimaが小声で「工事現場で誘導する仕事してるみたいだね。あの棒、そうだよ。」。ああ・・そういえば、赤い所が光るのか・・たしかに刀のおもちゃにしては重量感がある・・・と思いつつ、気が付けば、自分が見ているのはその道具ではなく、お爺さんがよろよろと立っているすぐそばの端座席に姿勢よく座っている人。

坊主カットにパリっと細見のスーツを着こんだ３０代前半の若きシャレ男さん。（なんで席譲らないんだろう・・・普通、いたたまれなくなると思うけど・・・すごく疲れてるのかな・・・）。DaimaとAbdouからの気配が変わったのに気づきました。「Why he doesn’t stand up for that old man?＝なんであのお爺さんに席を譲ってあげないんだ？」２人を振り返ると、呆れたような怒ったような厳しい表情になっている・・・え？いや、それはもうMariも思いは同じなんだけど、でも、、、と思わずまたシャレ男さんの方に視線を戻す。おしゃれな黒ぶち眼鏡の奥の目をそっと観察すると、さっきまで起きてたと思ったけど今はもう寝てる？始発で座って、各駅停車一駅の間にもう寝てる？？それくらいお疲れってことかも？・・・「気づいてないだけなら、自分が言うよ」座席に近い方に立っているDaimaが一歩踏み出そうとした。「ま、待って！だって寝てるみたいだよ？」と慌ててとめると「He is just pretending.=寝たふりしてるだけだよ、時々目を開けてる。」と二人が声を揃えて言う。あちゃーだよね～～。

「あのね、もうすぐ次の駅だから、そこで席が空くかもしれから、それまでちょっと待ってみようよ。言うなら、まりが言うから。女性が言う方がいいから、ネッ？」と言い張って、Daimaをとめました。車内はけっこう混んでるし、逆切れされる可能性もあるし・・・実際、過去にそういうのを見たことがあったので、心配になったの。駅そばの人混みの道の向こうから大人しそうなオシャレな大学生風の男性がイヤホン＆スマホしながら前を見ずに歩いてきていて、すれ違いざまにちょっとカバンが当たった女性に逆切れし、凄い形相で「ぶっ殺してやる」（うわ・文字にするのも怖い(>_<)）と拳を握って鋭く振り返った様子を偶然目撃したとき、本当に怖かった。幸い、女性はすぐに混みに紛れてしまっていたので、何事も起きらずに済んだけれど、何が起きるかわからない～～～

正義感の強い友人が、電車で柄の悪い男性に絡まれている若い女性を助けようと間に入ったら、いきなりナイフで襲われ、たまたまドアが開いたので降りて逃げようとしても周囲の乗客は全く動かず、必死に泳ぐようにかき分けて何とかホームに逃げることが出来たという経験をして、しばらく変装して外出していたというのも知ってるし・・・それ以来、ちょっと臆病になってます。。。こういう問題はすごく難しいでっする。。。逆切れが怖いだけじゃなく、事情があって座り続けている場合もあるだろうし、他人が何か言って席を譲って貰えたところで、肝心のお爺さんがいたたまれなくなる可能性もある。そんなこんなを説明したら、今度はAbdouが「それは、日本人のまりの考え方かもネ。デモワタシは違うから。別にケンカ腰に言うわけじゃない、フツーにフツーの当たり前のことを静かにお願いするだけ。何も問題ない。」・・・おっしゃる通りです～二人とも普段から如才なく穏やかな笑顔の持ち主で好感度200%タイプだから、案外あっさりうまくいくかもしれないし・・・AbdouやDaimaにお任せしようかとも思いつつ、ほとほと困ってしまいました。お願い！寝たふりシャレ男さん、席、譲ってあげて～次の駅で、めでたく、シャレ男さんの隣の席が空いた！！！やった！ところがシャレ男さんは全然動きそうにないので、「ちょっと席、ズレて貰えますか？」って言おうと息を吸い込んだ瞬間、誰かがお爺さんの前を横切って、さっと着席してしまった((+_+))　ガ～～ンこりゃ、あきまへんがな

Abdouは、シカトしている周りの人達や、よろよろしているお爺さんにぶつかっても平気な人達を見て、明らかに我慢の限界点がすぐそこに来てる。Daimaは、困ってるMariと動きだしそうなAbdouのどちらをどうすべきか迷ってる感じ。「Mari！お年寄りや、赤ちゃんがいるお母さんや、病気の人がいたら、若い人が席を譲るのは、当たりまえの事デスヨ。国や宗教は関係ない、人間として自然な事。」°˖✧◝(⁰▿⁰)◜✧˖°Abdou,日本語上手過ぎ・・ていうか、ほんとにその通り、そう思うんだけど・・・

なんだか、彼らをとめている自分が恥ずかしくなってきた・・・日本ってこんなじゃなかったのに・・・当たり前にみんなが席を譲ったり、子供が座っていたら大人が一言いって立たせて、周りの人達は席を譲った子供を褒めて、譲られた人は着席してありがとうってお礼を言って、子供は照れ臭そうに、でもどこか誇り高く嬉しそうにニコニコして・・・「Mariさん、ワタシが優しく言います。ダイジョーブ、ハクナマタタ」とDaima。いや、言うならMariが言うのが一番いい。言うか、、、セリフはもう、さっきから頭の中で何回もシミュレーションしてある。そうだよね、、、（いつも気が付かずにいたけれど、Abdouも Daimaも、すごく背が高いんだなぁ～。Daiaはガッシリマッチョ系だし。。。）Mariの頭の上で会話を続ける２人を見上げたり、お爺さんとシャレ男さんを見比べたりしながら、深呼吸をしたところで、丹波橋駅に停車して扉がプシュ～～っと開きました。

「タンババシだ！大変！降りなくちゃ！すみません、降りま～す！」慌てて２人に声をかけて、人の間を抜けてホームに降りました。Abdouは自分に納得がいかないのか、お爺さんが立ったままで降りてしまった結果に納得がいかないのか、ホームに降りてもシャレ男さんのいる窓を覗き込み窓をコンコンと叩こうとしたり、もう一度車内の戻ろうとしたり、つかの間ウロウロ。最後部の車両だったので、車掌さんから「危ないですから離れてください！お客さん！離れてください！」と大声で注意され、やっと諦めました。小顔でスリムで甘いマスクのイケメンダンサー、性格も練れていて社交的で如才なくいつも紳士的な姿がほとんどだから、付き合いはすごく長いけど見たことのない光景でした。乗り換えてからも、憤りが収まるまで、ひとしきりこの話であれこれと語り合い、目的地の枚方市駅に到着。

Mariは、何だか自分に対する大きな疑問とわだかまりを抱えたまま、なかなか寝れない夜になりました。チェックインを終えて解散した後、WinterHawkの到着を４0分位待ち、駅に迎えに行ってチェックイン。その時に、この話をしたら、「ものすごくわかる。AbdouやDaimaの気持ちも Mariの気持ちも、ほんっとにすごくわかる。アメリカ人は大体の人がストレートに、なんで席を譲らないんだ？と言うし、なんで譲らなきゃいけないんだ？って思ったらそう言い返すから、人がいっぱいいても言い合いになったりもするけど、日本は違うからね。それに最近はアブナイ人もいるし。これはね、ムズカシイ。」と答えてくれましたなり。

スマホの普及で、そこにいるけれど、そこの現実を見ていない時間を過ごしてる人が増えてる感じがする。そんな話をしました。あとは、２２時過ぎに他の公演現場からDaudiが無事到着して、Daimaと夕食を食べているのが確認出来たので、一安心。明日の芸術鑑賞会は３公演ぶっ続け　朝6:40集合だし、何とか早く寝なくちゃ♬　あのね、でもさ、みんなだったら、どーする？どう思う？