片山九郎右衛門「藤戸」を初体験(4)能役者の身体能力って
おはようさまさま~♡きのうは、パンチャのアコースティックライブ、手作りエコ楽器パフォーマンスグループ「JUMBE」のリハで帰ったらバタンQしてましたなり(^v^)そっちの話は次回ということで、藤戸初体験レポートの続きでありまするんるん♪以下の写真4枚は、今回の定期公演の写真じゃないけれど(今回のもきっとそのうちアップされると思う♡)同じ銕仙会主催の2014年定期公演「藤戸」の大槻文蔵氏がシテの老婆と漁師。この写真をお借りした<銕仙会HP写真館> をクリックすると他の演目の写真もフルサイズで見られて楽しいし、あと他にも色々お能のことがわかりやすく説明されているので、興味があったらクリックしてみてね?
さて、前回書いたあらすじの通り、前シテの老婆が退場し、その夜、盛綱が彼女との約束通りに、自分が殺めてしまった罪なき若い漁師の霊を供養していると、片山さんが後シテの若い漁師の霊となって登場。最後のシーンが始まりました。全くの別人にしか見えない漁師(別役に扮しているので当たり前なんだけど)。若くして殺されてしまった当人の無念さや憎しみ、怒り、哀しみをどう演じるのか。。。また、最後に魂が救われて昇天していく様子が見所だと、とっても楽しみにしていたシーンだったのですが。。。
正直に言ってしまいます(>。<)老婆のシーンの衝撃が尾をひいて、漁師と盛綱のシーンは、ほとんど印象にないのでありますう。(ああ、もったいない~~)。あともう1つ理由があって、、、ドジ話になっちゃうんだけど、実はMariあろうことか座席を間違えて座っていたので、かなり遅れて駆けつけたらしき、フウフウしている当人から「席、間違ってませんか?」と小声で問いかけられ慌ててしまった。そんなはずはないんだけど、、とチケットを見直すと(やっぱりちゃんと”ち26”だ)でも念のため、そおっと首をめぐらして座席の背中を見ると(!!!へっ?へ26?!!)平身低頭!客電煌々と明るいシチュエーションで舞台進行中のなか、いかに影響なく退散しようとしても、空気は揺れるし、、最低!最悪!な自分、、、せめてもの救いは、列の端っこの席だったこと。
必死にそおっとのいて、椅子をおろした状態に押さえたままその方が座るの待つも「自分でやるからいいです、早くいってください」と小声で断られ、ますます恐縮~~この日の演者の皆様、客席の皆様、ほんとうにほんとうに申し訳ありませんでした、、、、、最悪~~~(>。<)言い訳にもならないけれど、最初に”ち28”をみつけて安易に(あ、この2つ前の席ね♡)と座ったところ、実はその2つ左の席だったのでした。また、申込みの時に端っこの席第一希望だったのでどこかで思い込みもあり。。。。。本当にごめんなさい。カニのように小さくなってそ~~っと会場後の壁へ移動、続きを観ました。(なれるなら透明人間になりたかった・心臓がばくばく)やっと落ち着き、集中が戻りはじめたので、漁師と同じように中腰になってゆ~っくりと片足をあげようとしてみたら、支え脚がブルブルしてなかなか上がらず、とんでもない筋力と体幹が必要なことを発見。以前テレビも特集で観たけれど、能面をつけた人から見える視野は非常に狭いそうで、そんな中、たまに見える柱と体が覚えている感覚のみで舞台上を動き回っていることといい(位置確認のために下を見たりすると、わずかな動きでも能面の表情が変り、またそのわずかな動きが意味を持ってしまうからだそうです)とんでもないことを自然にやっている能役者って、、、、、、、、違う意味でも感嘆。
「藤戸」の後に休憩が入り、下記の演目も堪能しました。(あらすじ、お名前などは銕仙会HPより)
狂言「花盗人(はなぬすびと)」:野村万作~桜の桜の一枝を盗んで捕えられた男は古詩や和歌を引用し、風流な言い訳をして…~
能「国栖(くず)」白頭・天地之声:馬野正基~大友皇子に吉野山中に追われた天武天皇を匿い、追手を毅然と追い払う老夫婦。***この演目も大変見応えがありました。まず、命をかけて大友皇子を守らんとする田舎の漁師の老夫婦の知恵と気迫(とくにおじいさん、凄しっ)がスゴイ。とっさの知恵で小舟の中に皇子を隠して、2人で小船に寄り掛かってくつろいでいる演技をする老夫婦。「いや!たしかにここに入っていく様子が見えた!家探しさせろ!」と迫る追手。家探しするにも貧しい小屋、どうぞどうぞってな感じの爺婆。そのうち、追手がふと小舟に気づき「その小舟が怪しい、調べさせろ!」。ヒヤリとする瞬間です。
追手の尋問をのらくらとかわして小舟を守ろうとするお爺さんですが、殺気立つ追手は弓矢を構え、、、お爺さんヤバッ!手に汗を握る緊張感。2枚目の写真、見て!追手が弓矢を構える中、身をていしながらも平静を装い続け、知恵を絞るシーンです。早く行かないとほらっ日が暮れてしまいますよと、追手達のために言ってるかのようにさりげなく進言。幸いなことに、追手は、それはまずいぞ早く行こうと立ち去ります。
お年寄りはやはりいつの時代も凄いポテンシャルなんだなって、へんなところで感心してしまった。後シテの蔵王権現の勇壮な舞も印象的でした。このゴージャスな写真が蔵王権現。観世銕之丞氏。これらの写真も他と同じく銕仙会のHPの写真館の<2012年03月09日定期公演「国栖 白頭・天地之声」観世銕之丞>からです。この写真館、とにかく色々な演目の写真がプロの素晴らしい写真で見られます♡おススメ♡あらすじも一覧で検索できるから楽しい。
さて、キリがないので、能初心者Mariの素人レポートはこの辺で終わりま~す(^^)行ってよかった。カルチャーショック、心地良し♪でも、一期一会の舞台客席の空気を揺らしてしまい、時間を巻き戻せないことにごめんなさいと落ち込み~~