卒業シーズン、伊豆大島高校公演の思い出(5)
卒業シーズンにあった、伊豆大島公演の思い出ストーリーシリーズです。(今日はちょっと長めです)MariTAMTAMまりが「HEY!WAO!」をつくる時に、この時の体験やプログラム作りが大きなヒントになりました。昨日今日と寒の戻りで急に寒くなったけど、さすがに東京に雪降らないですね(^^)ちょっとくらい寒くなってももう驚かなくなっちゃいました。だって~~~
あの時は東京なのに凄かった。神様が間違えたかふざけたのかってくらい凄かった。。。。このシリーズは当時書いた日記が元になっているので、かなり自分の世界に入ってしまってますけど、まあこんなのもありって感じで大きな気持ちで気軽に読んでやってくださいませりん♪ 卒業シーズン、伊豆大島高校公演の思い出(1) 卒業シーズン、伊豆大島高校公演の思い出(2) 卒業シーズン、伊豆大島高校公演の思い出(3) 卒業シーズン、伊豆大島高校公演の思い出(4)から続けて読んでね?*注:写真イラストはあくまでも雰囲気作りのためのイメージです。
さて、いよいよ2月8日、伊豆大島に渡る当日。なんとこの日があろうことか記録的な大雪となり、交通機関もほとんどマヒ。呆気にとられた。昼に竹芝桟橋に集合して高速船で大島へ行く予定だったが、当然、船も欠航。深夜の最終船便が出るかどうかが17時に決まるので、それまで待機となる。
何回も窓を開けて外をみるが、下から横から吹雪いていて真っ白で何も見えない。「ここ、東京?南極?冗談みたい~(>。<)はぁ~、今頃、大島高校でリハーサルしているはずだったんだけどなぁ~」お天気情報とにらめっこしながら中止の連絡を覚悟していた。学校側は式典を行うので出来れば来て欲しいとのことだった。ああ、残念だな~~と諦めて荷物を眺めていたら、熱血ガハハ社長Dさんからの電話。弾かれたようにとびついて出た。「はいっ!Mariです!どうなりました?」
熱血ガハハ社長「Mariさん、最終船出ます!9時頃に竹芝桟橋に来て下さいって、皆さんに伝えて下さい!」Mari「またまた~~Dさん、そんな冗談、やめてください」熱血ガハハ社長「ほんとほんと!ほほほんとなんです!早めに動くよう皆さんに言ってくださいね!」
「え?こんな大雪の中、船、出るんですか?」耳を疑ったが、どうやら本当らしい。連絡を回したメンバーも皆、誰も本気にしなかった。それくらい激しく吹雪いていたのだ。「ほんとなの、ほんと!宜しくお願いします!後で桟橋で。何かあったら電話かメールくださいね」と説得。というわけで、連絡をまわし終え、長靴を履いて早めに浜松町に向かった。最悪タクシーで行けばいいと覚悟していたところ、電車は動いていた♡けれど、雪は降り続けている。
ここは北国か???
Lawrenceローレンスは夕方から桜木町のホテルで仕事し、当初の予定通りの大桟橋23:30に同じ最終船に乗船合流予定。気の毒に、彼は昼には家を出てやっとの思いでホテルに着いたら、雪で仕事をドタキャンされたと夕方電話があった。その時に22時前にはホテルフロントにタクシーの予約をするよう伝えた。既に大桟橋から車で約10分のホテルにいるから安心だ。
晴れていれば通常は浜松町駅から徒歩10分の竹芝桟橋だが、人通りの少ない夜道は、膝まで雪。冗談抜きで膝まで!雪!浜松駅でタクシー乗り場で待つこと40分以上、一向に来る気配がないので、集合時間に遅れないように結局歩くことにした。タイミング悪く、雪がみぞれに変っていて風も強い。傘をさせないので仕方なくフードをかぶってクシックシッと雪道を歩く。これ自体は新鮮でちょっと楽しい。「お~はっぴぃ~で~~♪お~はっぴぃ~でぇ~い♪」歌いながら1人で歩く。
ひとけのないビル街はまるで別世界。黒が基調の景色に雪だけが街頭やビルの明かりに浮かび、モノトーン。しかもくどいようだが、足元は膝までの雪。こんなのスキー場以外初めて!また、交差点で道を渡る時はぐしゅぐしゅのみぞれの池。もう下半身は降る雪と積もる雪、みぞれの池でずぶ濡れさっ。「雪が深いときは長靴はあかんのじゃぁ~~~かんじきがあればよかったんじゃぁ~~♪雪国の人はさすがじゃぁ~~♪」
けど、そんなことよりスーツケースと荷物が重くて参った。スーツケースのコロの下は雪が詰まって時間が経つほどに増々重くなり、深い雪の中を引きずるのは不可能になってしまった。ようするにスーツケースの下部に雪の塊がくっついて、それが歩くほどに雪だるま式にどんどん雪をくっつけて大きくなっていくのだ。スーツケースの下部のスーツケース半分くらいの雪のスーツケースが装着された状態。自分で立ち止ってそれを見た時は、思わず大笑いしてしまった。
しかし笑いごとではない。1歩進むのにこんなに時間がかかっては集合時間に遅れてしまう。なので、一度雪の塊をガシガシこそげ落としてから両手両肩に荷持を持ち、筋トレ状態で再び出発~~。「犬ぞりじゃぁ~!犬ぞりがあればよかったんじゃぁ~~!じんぐるべ~じんぐるべ~♪」なんかもう、1人で這いずるように進みながら、へんなハイ状態に突入していた。で、何とか桟橋に辿り着いた時にはずぶ濡れ。余裕を持って2時間近く早めに出たのに、着いたのはほぼ待ち合わせの時間だった。
でも、幸い山手線、地下鉄等は動いていたので、WinterHawkウィンターホークも美人ピアニストKさんもAさんも、スタッフも全員時間内に桟橋に到着。ガハハ社長が皆に酔い止めの薬を配る。MariTAMTAMまりは乗り物酔いに弱いので、薬は嫌いだけど決心して飲んだ。これを飲むと眠れるらしい。期待しよう。
以前、済州島往復クルーズ船のお仕事で、オペラ座の怪人のメインを演じた吉岡さんのバックのマリンバ奏者(実は鮫島ゆみこさんのバックでマリンバ奏者もやったりしています)初めて船に乗った時、嵐で何日も足とめをくらい、しかも物凄い大シケでの航海だったので、映画のように窓が空しか見えなくなったかと思うと、次の瞬間にはまっさかさまに海面に向かって落ちていくというジェットコースターの繰り返しで、死ぬ思いをしたことがあったのだ。船は逃げ場がない。寝ても覚めてもぎゅわんぎゅわんと気持ちが悪い船酔いなるものを体験してしまったので、悪天候の船に乗る=相当な覚悟がいる、、、と思っていた。だから苦手な薬に頼ることしたのだ。
さて、いよいよ乗船の時間。吹雪きの暗闇の中にキラキラといくつもの明かりが灯る船。外から見た時は、それなりに大きく心強く見えた船だったが、乗り込んでみたら、中の狭さにちょっと驚く。勝手に東京湾クルーズ船の広さをイメージしてしまっていたから仕方ない。船に責任はない。明るい所で見ると多分写真のような船なんじゃないかな?間違っていたらごめんなさい。
船のスタッフさんが手を支えてくれて順番に甲板をあがり、観音開きする船室への扉の中に滑り込んだ。クルーズ船とは違い(当たり前だけど)、絨毯も敷いてなくて(これも当たり前だけど)、簡素な造り(そりゃそうだ、短時間、移動のために乗るのが目的だもの)。4人用1等船室は、山小屋か昔の寝台列車のようで、入るとすぐ両側に狭い2段ベッドが並び、奥に小さな窓とテーブル、そのテーブルを囲み向い合せに2人掛けのソファ。よくぞ、この空間にこれだけの設備を設けたものだと、設計者の才能に感心してしまった。パズルの用にソファやテーブルまで工夫されていてるのだ。しかし。。。。。自慢じゃないけど閉所が苦手なMariTAMTAMまり。めまいを隠して明るく振る舞った。 (MariTAMTAMまりコメント;この写真は参考までに載せたモノで出演メンバーとは関係ありませぬ。その時は精神的状況もあってかもっと暗くてもっと狭く感じました。)
ジャンジャンジャンジャ~~ンといきなり中国銅鑼が鳴り響いた。
「え?!何?何?」
私達は音楽家の集まりなので、こういう音には過剰反応する。特に先日この企画会社の中国雑技の公演を観たメンバーは、Mariまりも含めてゲラゲラと大笑いの大はしゃぎ。「中国雑技の公演が始まるの?」「合図は銅鑼なんだね」「へたくそな演奏だなあ」と笑いあう。無事公演に行ける事になり、ホッとしている皆の気持ちがあらわれているようだ。
銅鑼の音を合図に予定通り22:00に出港!どうか、あんまり揺れませんように~~~~~~~
となりの男性の部屋では、早くも無事出向出来たことを祝って、酒盛りが始まっていた。ガハハ社長は、よく飲みよく吸いよく働く人なのだ。そして彼は人一倍飛行機と船が苦手なので、酔って紛らわせようというのだろう。声も人一倍大きく、よく聞こえる。 男性陣はガハハ社長、ウィンター、音響さん、そして横浜で合流するローレンスが同室。女性陣は、美人ピアニストKさんに歌手のAさん、お母さんの様なベテラン女性マネージャーSさん。女性チームはお茶タイムで寒くて濡れた身体を温めた。
イラストは優雅な飲み会とお茶会になってるけれど、実際は窮屈な船室に陣取って、缶ビールや紙コップでの質素なひと時。でも、無事に伊豆大島に渡れるという嬉しさで気持ちは晴れていた。
それにしても船というのは、なぜ竹芝桟橋から大桟橋まで1時間半もかかるのだろう?かよくわからないが、風とかいろいろあるんだろうな~。男性陣はガハハ、女性陣は荷ほどきやお茶をしているうちに、「横浜大桟橋まであと30分」と船内アナウンスがあった。これでローレンスが乗船合流すれば、後は寝て、早朝から一気に頑張るだけだ。いやはや、これで一安心。それにしても思いがけないハプニングだった。そうだよね、神様の後押しコンサートなんだから、絶対うまくいくはずだよね?!今頃LawrenceLoloロロちゃんは横浜の大桟橋で待ってるだろうな、、、、あと30分で会えるからね~~