ガムラン楽器のスタンドは何故こんなに重たいの?
「前にガムランについてBLOG書いたのって、いつ?読みたいんだけど?」と何人かに訊かれたので、一関ガムラン公演について書いたBLOGのURLを紹介します♪2017年11月18日ガムラン音楽はお好き?♡、2017年11月19日ジャワ・ガムランとユネスコ無形文化遺産ワヤン・クリ、2017年11月24日ガムランの楽器の楽しいイラスト♡、 2017年12月1日明日はランバンサリのガムラン公演+体験ワーク♪来てね~ 続きものになっていて、楽器の名前などがわかります。読んでね?
んで、ガムラン楽器のスタンドは、なぜ、こんなに重たいの?という話でしたね?実は、公演前に楽器を組み立てているランバンサリのメンバーに「青銅の楽器なんて、こんな重たいもの運ぶの、大変ですね?」と話しかけたら「いやいや、楽器はまだいいんです。スタンドの方が大変なんですよ。楽器よりずっと重いのがざらですから、ねぇ?」と言われ、「そうそう」と全員がうなずいていました。写真見て?楽器の方が重たそうでしょう?でもスタンドの方が重いんだよ~~♪
日本のガムラングループはじめ、アメリカやヨーロッパなどのガムラングループの中には、運搬の負担を減らすために、より軽い木で作った楽器スタンドを使用している所もあるらしいんだけど、結局、良い音にならないんだって。そうか、、、、ズッシリと安定した、硬いスタンドに乗っているからこそ、楽器そのものの響きが良くなる。。。。。なるほど、わかる気がします。
ランバンサリも各地での公演活動のため、現地の楽器職人さんに「スタンドはなるべく小さく軽くつくってくれ」と注文するんだけど、25年間ほとんど毎回、現地からスタンドが届いてみると、全く小さくなっていない大きく豪華なものが届くそうです。こちらが遠慮して言ってると思うのか、とにかく、何回念を押しても、届いてみれば、やっぱりゴージャス版が届く。
ジャワに行った時に直接職人さんに「小さいて軽めのをお願いしているのに、なぜあんな大きなのを送ってくるんだい?」ときくと、胸を張ってこう答えるそうです。「だって、立派なモノの方が本当は嬉しいんだろう?腕によりをかけて作ったぞ。どうだい?彫刻の部分も素晴らしい出来映えだろう?我ながら、これはなかなか立派で豪華で、見栄えもいいぞ、うんうん。大事に使ってくれよ?」
わ、、、、わかって貰えない、、どう言ったらわかって貰えるんだろう???、、、、何年もの間、悩み続けたそうです。これって、知る人ぞ知る話だよね?Mariも打楽器科卒業だけど、初めて知りました。例えば、アメリカのガムラン楽団の中には、楽器だけ購入して送ってもらい、スタンドは自分達で手作りしている所もあるそうですが、やはり、木が軽いと音色が変わってしまうのがわかったとK氏が言ってました。こうして人の楽団の音色を聴いて発見することも多いんだって。
ヨーロッパや日本の楽団はやはり運搬が前提なので小さいスタンドが欲しいと、根気よくしつこく現地の職人さんにオーダーするので、さすがに最近は、「もしかして、ホントに小さめのスタンドが欲しいの?ほんとに???」と、半信半疑ながらも、理解してくれつつあるんだって~~。
K氏は、ランバンサリの中ではアイデアマンでもあり、適度に重たさや硬さがあってなお、楽器の音色を損なわず、しかも、持ち運びに便利なスタンドを考案し、現地の職人さんに設計図を渡して試作を繰り返したりと、ガムラン楽団の中では、かなり特殊な存在感を放っているそうです。企業秘密なので詳しくは書けませんが、ガムラン楽器にはあり得ない、前代未聞の、「分解式組立て式スタンド」なるものを、ついに完成させたんだって!!!現地の職人さん達は、最初、彼の設計図と説明を聞いた時は、「お前は何を言ってるんだ???スタンドはバラバラになんかしないものだぞ!頭がどうかしたんじゃないか?」と、本気でK氏のおつむりの中身を心配したとか?ははは(^。^)
さあ、やっと、最初の質問に戻れます。「どうしてガムラン楽器のスタンドは、こんなに重いの?運ぶのも大変だし。それに、どうしてこんなに凝った芸術的なデザインが必ずほどこしてあるの?」K氏「それは、ジャワではガムラン音楽はそもそも宮殿の広間で演奏するものだから。運ぶことは前提にないんです。実際、楽器を作る職人さんとスタンドを作る職人さんは別です。ジャワには優秀な家具職人がたくさんいて、世界中の王室や皇室、高級ホテルのオーダーを受けて特別な家具を作っているんですよ。そういう職人さん達が、楽器スタンドにもその技術を発揮するから、素晴らしいアート作品でもあるんです。そして、重たくて硬い木のスタンドは音色がとてもいいのも理由です。」