GINZA SIX 観世能楽堂で花花能2

狂言「蝸牛」は、小学生か中学生の時に学校の芸術鑑賞教室で能楽堂に観に行った、人生唯一の生で観た狂言です。一度した観ていないのに、よっぽど印象が強烈だったのか、いくつになっても鮮明に覚えていて時々思い出しては「でぇ~~~んんでぇ~~~んん、むぅ~しッむしぃッ」と繰り返してしまうくらい、細胞にしみ込んでいるのであります。ついに、再び観られる!これはもう、ほんとうにほんとうに楽しみでした。

ご存知とは思うけれど、一応パンフレットからあらすじを紹介するね?***太郎冠者は主に「蝸牛」を捕ってくるよう命じられるが、どんなものかわからない。藪の中を探して旅疲れで寝ている山伏を見つけ、蝸牛かと尋ねる。山伏は、からかってやろうと蝸牛になりすまし、「でんでんむしむし」とはやしながら舞い、、、。***実際には、太郎冠者に<そちは『雨も風も吹かぬに、出な、かま打ち割ろう』と言うて囃せ。みどもは『でんでんむしむし、でんでんむしむし』と言うて浮きに浮いて行こう。そうするなら行ってもいい。」と言い、太郎冠者が山伏の言葉にのって「雨も風も~~~♪」と名調子で囃し立て、

山伏もお調子に乗って「で~んで~んむぅしむしっ」と呼応し、客席も一緒に楽しく盛り上がってしまうのだ。台詞をきいていれば、内容もついていけるし、とにかく客席からの笑いが絶えない楽しい狂言。野村万斎さんが山伏で、それはそれはのびのびと面白おかしかったです。太郎冠者の主が太郎冠者が山伏にからかわれているのを見つけ、注意するんだけど、山伏と太郎冠者の囃し遊びがあんまり楽しくて、気付くと一緒になって、囃し立てては大笑い、3人でそのまま掛け合いながら、退場してしまいます。一緒についていって「で~んで~ん」って盛り上がりたい衝動にかられたのは、多分Mariだけじゃないと思うよ。ただ、子供の頃に観た時の「で~んで~ん」の「む~しむしッ♪」の節回しが違ったけど、いろいろあるのかしらん?子供の頃からずうっとマネして歌っていた節回しと違うので、ちょっと馴染きれなかった自分が、逆にちょっと面白かったです。一回観ただけのものが、これだけ浸透する。狂言おそるべし。今回も帰り道から今の今まで、頭の中でリフレインは、3演目の中の「蝸牛」ばかり。Mariだけでなく一緒に観た友人全員が同じだそうです。今観ても、その魅力、浸透力はスゴイのでした♡室町時代からある狂言、昔の人達も笑ったんだろうなぁ。

囃子詞の意味は、太郎冠者の呼びかけは「雨も風も吹かないのに、出ないと殻を打ち割るぞ」で、山伏が「出よ、出よ、虫、虫」。♪でんでんむしむし、かたつむり♪の歌も、ここからきてるのかな?ああ、なんて楽しい♪シンプルに歳も世代も越えて、楽しい気持ちになるから凄い!

「日本語と日本文化」というホームページの狂言「蝸牛」に詳しい台詞と筋書きがあるので、よかったらのぞいてみてね?