NHKBS国際報道2018でペリリューを紹介(3)ジャングルへ

「ペリリュー 楽園のゲルニカ」の作者・武田さんは、かつての日本兵達がおかれていた環境を実際に自分で感じたいと、海を渡って現地ペリリュー島へ向かいます。

ペリリュー島はパラオ諸島の島のひとつ。映像で見ると美しい色の海と緑深いジャングルが印象的でした。武田さんは現地に住むNGOメンバー=イギリス人のスティーブ・バリンジャーさんにガイドを頼みます。そのまま放置しておくて危険な不発弾を、ひとつひとつ処理していく~こういう活動をしているNGOもあるんだ。ありがたいことです。

 

写真は当時の不発弾。スティーブさんは日米の両軍によって残された不発弾を処理する傍ら、戦跡の案内をしている方。
武田さんと撮影クルーは島内を知り尽くしているスティーブさんの案内で、かつて日本兵が潜伏していたジャングルへ向かいます。ペリリューのマンガの主人公・田丸くん達が極限状態の持久戦を強いられていたのが、このジャングルです。数少ない生存者のおじいちゃん土田さんもこのジャングルで生き延びた。足元だけでなく頭上も植物が絡み合うように生い茂っていて、前に進むが大変そう。

日本兵が隠れていたであろう小さい洞窟のひとつ。(番組では”壕”と呼んでいました。”壕”=自然の洞窟のままのモノもあれば人工的に内部を補強したモノも、または人間が掘って作ったものも”壕”と呼ぶそうです。これがどちらかわかりません、ごめんね)びっくりするくらい小さい!武田さん、特別に許可を得て中に入ってみることに。が!入り口があまりに狭すぎて、なかなか入れず、苦労して何とかスクイーズ・イン!小さい入り口でわかりにくいからこそ、米兵に見つかりにくいから意味があったんだろうけど、これだけで体力消耗~(>。<)中は、、、どうなってるんだろう?

壕の中は、、湿度がめちゃくちゃ高い真っ暗で狭い空間でした。「人間がクラス環境ではない どう考えたって」と作者・武田さんは衝撃を受けているようでした。映像ではわからない空気の息苦しさや圧迫感がすごいんだろうなって想像。臭いはどうだったんだろう。。。

 

 

マンガを読んだ人は知ってると思うけど、主人公・田丸くん達にとって、飲み水の確保は切実にして、最高に困難な課題。どんどん包囲網が縮まる米軍の厳しい眼をかいくぐって確保出来る水の量は日を追うごとに少なくなり、生死を分ける量になってしまうの。しかも南の島は暑い!きっと熱中症にも、、、雨は恵みに雨。洞窟の中にしたたり落ちる地下水も貴重な貴重な水源。写真はそんな、地下水はがしたたり落ちている場所。(ちなみに日本は水道をひねれば透き通った衛生的な飲水が簡単に手に入る数少ない国の1つだそうです。)

しかも、中は真っ暗な空間です。想像してみて?息が詰まるような閉鎖空間で米兵の足音に怯えながら、空腹と疲労と負傷した仲間のうめき声と、見えない未来に押しつぶされそうになりながら、ただただ、本土決戦引き伸ばし作戦遂行のため、家族のため、耐え続けて生きる少年のような兵士~中堅の兵士たち。。。恐怖と慢性睡眠不足にも苦しんだそうです。”どれくらいの暗闇なんだろうか”と、武田さん達は懐中電灯を消したけど、スマホでは写しきれないシーンになったのでここにはアップ出来ないの、ごめんね。写真は、窮屈な洞窟から、また苦労して外に出てくる武田さん。

日本兵達が米兵に見つからないよう夜中暗くなってからジャングルを食糧や水を求めて徘徊していた話を聞いてきたので、彼は、実際の真夜中のジャングルも知りたいと、夜暗くなってから、再びジャングルに入ります。暗くてわけわかんない映像ですね(>。<)写真映像画面のテロップに書いてあるように10m進むために20分かかる状況とのこと。

 

生存した方から体験談を取材するだけでなく、実際にその場に行き、全てが想像を超えていたと語っていたのが印象に残りました。