NHKBS国際報道2018でペリリューを紹介(4)共有すること

どんなに想像力を総動員しても、実際に体験しないとわからないことがある。作者の武田さんが自らペリリュー島を現地を訪れたことに、作品をよりリアルに説得力のあるモノにしたい、島で起きたことや当時の日本兵=作品主人公田丸くん達が置かれていた状況や気持ちを読者によりリアルに伝えたいという気持ちを感じました。マンガの中では、ほんの1コマの表現にしかならなかったりするんだけど、その1コマがあるかないかで、深みや奥行が物凄く変わり、無意識の内に読んでるこっちの心に迫ってきたりするんだよね。例えばそれは、武田さんが”実際に狭い洞窟の暗闇や体験したから書けた、田丸たちにとっては死を意味する恐怖の米兵の足音はもの凄く大きく響いたはず”という=1枚目の写真の米兵の足元と足音をドアップにしたシーン。

これは、きっと、人に何かを伝える仕事に共通することなんじゃないかな?Mariの場合だと、作詞や公演作りや、MCのトーク。どうしたら、より伝わるかなっていつも考えてて、ある時、そのアンテナにピョンってひっかかるみたいにアイデアが思いつく。結果的にはほんのひと言の表現にしかならない事も多い。ハズレのことも多々。自己満足でしかないかもしれない。

 

でも、凡人はアンテナ立てててやっと見つか見つからないかだから、その時はめちゃ嬉しいの(^^)。だから、そうやって見つけた自分の大事な企画やアイデアをためらいもなく目の前でマネされたりすると(あちゃ~)と、呆気にとられて寂しくなっちゃう。身近な些末の事、例えば次の人のためにエレベーターのドアをおさえて開けておく等もそう。さらりと当然のように思いやり行動している人を見かけると、心から嬉しくなる。子供でもちゃんとそういう子はいっぱいいる。相手の気持ちを慮る想像力のスイッチを子供の時から絵本でもマンガでも何でも、養うことは本当に大事だなって思う。自分もそういう人でいようって思う。

今回の番組は、大事なことをとても分かりやすく伝えてくれました。だからみんなに知って欲しくて紹介しましたなり。まず、この田丸くんのアップの写真2枚にある武田さんのコメントの字幕を読んでね?☆実際に直接戦争体験をしていない自分達世代にとって、戦争は、学んだり、映画や本や話で見たり聞いたり、それについて考えたり想像したりすることでしか知ること、追体験することしか出来ない。けれど、その私達世代なりの戦争体験?追体験?(って言えばいいのかな?)を共有すること、思いを馳せてそれについて考えることが、戦争を知らない世代の戦争に対する1つの在り方なんだって改めて教えてくれた気がします。

自分達ならではの戦争への向きあい方や考え方、ひいては自分達自身が発信するメッセージに繋がっていく。お互いにそこから何かを感じとり、学んでいけるのではないか?と問いかけられたように感じました。共有、共感、共鳴、共存、e.t.c…..ひとりひとりが違うから、世界は豊かで面白い。ひとりひとりがお互いをリスペクトし合い、認め合えれば、、、普遍的なテーマを共有できるようになるんじゃないか?身近な思いやりから始まる地球ハーモニーになるんじゃないか?

リポートをした高柳アナのひと言も印象的でした。戦跡だけがそこにあってもモノがただそこにあるだけ。戦争の悲惨さやなぜ戦跡がそこに残るに至ったか、その後ろにどれだけの尊い命とその家族他の哀しみがあるか?ということは多くの人には届かず、武田さんのような人にその時の事を伝えようとする人いて、こうして広がっていくのだという感想。高柳アナ自身も作品を読んで現地に行った事で「もし自分がこういう状況に送りこまれたら、、と戦争を身近に考えさせられた。」そうです。

「だからこそ、このマンガをおススメしたい。」とも。(Mariの主観解釈が入ってるのでそこんとこヨロシク!)主人公の田丸均一等兵はじめ、登場する多くの青年兵は初めて戦場の送られてきた、普通の青年たち。フツーに憶病だったり、等身大でめちゃくちゃ身近。ヒーローっぽい気骨ある軍人は上官にいるだけ。(その人達もスゴイです。)だから余計に伝わってくる。

 

また、番組メインキャスター花澤さんが、武田さんのこのコメントに強く賛同していました。「わかったつもりになってはいけない」。物凄く、とってもとっても心にささりました。どんなに豊かな想像力、寄り添う・思いやる優しい気持ちがあっても、決して当人の気持ちを理解しきることは出来ないってことを忘れちゃいけない。当たり前そうだけど、実はけっこう陥りやすい罠だ。。。

 

特に表現者は安易に自分の器の範囲で「わかったつもり」になったら絶対にいけないんだって、いつもどこかで意識してないと。この日の番組からは本当に多くの気づきを貰い勉強させられました。ツタヤのコミックレンタルコーナーにもあるので、ぜひ、読んでみてください。あと、MariBlogはMariの主観や記憶で書いているので、この番組のHPも紹介しておくね?より正確に映像も鮮明に乗ってま~す。国際報道2019/2018年8月2日(木)特集;太平洋戦争の激戦・ペリリュー戦を描く

長々と不器用なBlogを読んでくれてありがとうございました~♡伝言ゲームって覚えてる?最後の人に伝わる内容って、笑っちゃうくらい最初と違ってて、みんなでゲラゲラ笑ったなぁ(^^)わざとウケを狙って内容を変えて伝える人もいたし。自分が直接体験していない事は、必ず誰かの手を通って自分に伝わってきているわけだから、故意でも故意じゃなくても伝えた人のフィルターで変化してる。テレビも雑誌もネットの情報も写真や映像でも全てそうだから、受けて側の私達、そのことも忘れないようにしながら、いろんな情報を使いこなさないと。伝言ゲームと同じなのかもね?

「事実はひとつでも、真実は人の数だけある」