国立劇場大稽古場初めてづくし(6)後見さんって凄すぎ!②忍者?

それから、スゴイ!と思ったもう一つは、演者の精神状態や稽古場全体の雰囲気にも常に気を配って、さりげなくホローしてくれたこと。演奏する常盤津、長唄、清元の方々、衣装さんはじめスタッフの皆さんは超一流どころ。踊り手側は、玉川錦之輔師匠やゲストの花柳翁麗さん、名取の先輩方以外は、ハイアマチュアからMariみたいな日舞初心者。緊張してる人も多かったのでそのせいもあるんだと思います。例えば、明かにガチガチに緊張してる様子だと耳元で「はいっ、幕が上がりました。このまま、まっすぐネ。落ち着いて!」と声をかけてくれたり、軽い冗談で緊張をほどいてくれたりするし。動きだすキッカケぎりぎりまで肩に手を置いて、いざという時にポンって肩を叩いてわかりやすくタイミングを教えてくれたり。稽古場全体が無用にピリピリしてくると、ベテランの後見さんのお2人が夫婦漫才みたいな面白いやりとりをして、全体の雰囲気を和らげてくださったりしていました。

もちろん、舞台やコンサートや番組の仕事でも、舞台監督やプロデューサー、ディレクター、時にはカメラマンまでもがさりげなく気持ちを盛り上げてくれたりするので、スタッフに助けられるのはどこも一緒かな?でも、後見さんがこういう役割を担っているって知ったのは初めてでした♡撮影でも、たしかに汗をかけばヘアメイクさんがタイミングを見計らって、直してくれます。衣装さんも直したり整えに入ってくれます。でも!踊って演じている最中にすすすっと介添えするなんて、初体験でした。

その後のお稽古で師匠に教わって初めて知ったことがあります!「後へ行く時にセンターがわからなくなったら、後見さんのいる所に戻っていけばいいから。」んん?後見さんの所と言っても、、、、後見さんと向き合う位置?後見さんのどこを目指せばいいの?イロハのイの字もわからないので質問!「ああ、それも知らないんですね」(知りません。。。)「後見さんはセンターからちょっと横に寄った位置にセンター向きに構えて待っています。そこに入ればいいんです。」後見さんの真ん前まで行けばいいってこと?「ちがうちがう!いいですか?後見さんが座っている目の前の四角い空間は後見座といって、決して踏み込んではいけない場所です!その手前でとまるんですよ」シェ~テテテ(>。<)

*シェーテテテ=セネガルのウォロフ語で驚いた時に使ったりする言い回しデス☆セネガレ(セネガル人のことをセネガレと言います)のミュージシャンの友達に教わりました。バンドの皆で受け狙いで、叔父さんぽい仕草で言い合って、笑ってた時期がありました♪そういえばheywaoドットコムの仲間のセネガレバンド「ワガン・ンジャエローズ&ソフィ・ケルギ」の若手メンバー=ンボイ・ジャバイ君がサバールを叩いている姿が日本セネガル戦の後のニュースで随分映っていました(^^)

MariレポートはあくまでもMariのレポートなので、もしかしたら間違いがあるかもしれないので、さいごに日本大百科全書による歌舞伎、舞踊の「後見役とは」を引用しまーす。興味のある方はいろいろ調べてみてね?➔「後見役とは」「演技中、舞台の後方のい控えていて、演者の衣装を直したり、着替えを手伝ったり引抜きを行ったりする。必要に応じて小道具を手渡し、不要になった小道具を片付ける仕事もする。蝶や鳥の差し金(さしがね)を使うこともある。紋服・袴(はかま)を着けたり、裃(かみしも)にかつらをつけて登場し、あくまで目につく存在であってはいけないが、黒衣と違って「登場する役者」の1人として認められる。歌舞伎舞踊の「鷺娘(さぎむすめ)」「道成寺」などの引抜やぶっ返えりなどの演出には、格別に主演者と息のあった後見技術が必要である。なお、「定後見(じょうこうけん)」といって、舞台下手の幕溜(まくだま)りに控えている約がある。これは、演者の不足の事故に備え、かつ演技をおのずと習得するための修業過程の意味がある。[服部幸雄]