2018アフリカンフェスティバル横浜初日レポ4オズワルド・コアメの世界

前回のクイズの写真、どう見たって自転車。まさに自転車。開会式典が始まる直前にオズワルド・コアメがさかさかと舞台のそでに持って来たのは、なぜかと言うと。。。「Marie~(フランス語を話すアフリカンはマリをマリーと言うことが多いみたい。または、アフリカ風にンマリ), ココね?ココ。オーケイ?」「are you going to use it on stage?」「Oui! Oui!ヨロシク ネ?」そして、すたすたと衣装に着替えに楽屋に戻ってしまった。うーむむむ、、、、気になる、、、オズワルド・コアメ様は、実にユニークな世界を繰り広げる世界的アーティスト。米国の音楽シーンで知らない人はいない、世界的な名ベーシストのリチャード・ボナ(実はMariのメル友。アフリカ出身のすごいベーシスト。最近メールしてないな、いかんいかん)とも共演。んで、どうユニークかというと、3つの世界を持っているとこ。

その1は<白い歯キラリのhappyワイルド千手観音の世界>普通にアフロやラテンやジャズフュージョンを演奏する時は、満面の笑顔で長い手足、ドレッドヘアを千手観音のように大きく駆使した、派手派手で見ているだけで惚れ惚れリズムに巻き込まれていくようなパフォーマンスをする。演奏していると悟空じゃないけど、ぶわぁ~~って10倍くらいに大きくなっちゃうの。ほんっとに気持ちがいいのだ。「そんなに?そんなに楽しいの?ああ、なんかこっちまで楽しいよ~~っ」て感じ。そして、笑顔のオズワルドの白い歯!☆キラリ☆歯磨きのCMにぜひ!登用して欲しいなあ。細マッチョなボディに白い歯、白のネックレス&腰ミノがマブシイぜいっ(>v<)白コーデ、おしゃれです♡

その2は<ンザサ・ミュージックの世界>アイデアを常識に囚われず、何でも自由にステージで表現。ビニール袋をクシャクシャと演奏したり、演奏したり、、、Mariみたいに現代音楽や前衛音楽もやっていた人間は、つい「こういうジャンルのステージで、今さらこんなことやったら、合わないからダメだよね、、」とくだらない常識の線引きに惑わされて、やりたくても引っ込めてしまう。

そして、いつの間にか、ジャンル的に使ってもOKと思う手作りエコ楽器パフォーマンスグループ「ジャンベ」のステージか、現代音楽や前衛音楽のステージでしかやらなくなってしまうけれど、オズワルドは自分がイイと思えば、OK。そこが本当にスゴイ!もっと、純粋に音やアイデアを楽しんでいる。写真はすべて午後の一般公開ステージのものだけど、それでも2枚目の写真のオズワルドの右横にアフリカの臼と杵があでしょう?3枚目の写真の舞台中央前方に金属ボウルとペットボトルがあるのも、わかるかな?

「オズワルド・コアメ」の音楽=本人曰く「ンザサ・ミュージック」=色々なものが一緒になった音楽。そのもの!これが、ひとつのジャンルなのだ。初めて彼の演奏を観たのもAFY(アフリカンフェスティバルよこはま)だったけれど、その時は、乳母車を床に弾ませてて”どんどどどん♪”と演奏。大笑いしながら大感動した。そのオズワルドが,今回はどうやら自転車を使うみたいだ。一体どう使うんだろう、、、、

開会式典の中盤に、ちょっと音楽を楽しんで頂く時間がある。今年はこのオズワルド。自転車に乗って登場するのかな??乳母車みたいにバンバン床に弾ませるのかな?見ていると、なんと自転車を担いでステージに登場。おもむろに自転車をひっくり返し、車輪を上にしてセット、ペダルを手で勢いよく回したのだ。車輪がカラカラと音をたてて回り始めた。惰性で回り続けるその音に乗せて、今度は金属のボウルにペットボトルの水をトポトポトポ。音響チームIさん&Wさんが、拾いにくい音を工夫して見事に拾ってエフェクターで増幅させ、(カラカラカラカラ・・・・・トポポポンンン・・トポポポ~~ン・・・)会場は一瞬にして、オズワルドのその3<唯我独尊・いにしえのアフリカン・スピリチャルの世界>に包まれた。ソロ、ひとり舞台。唐突に彼がアフリカの古(いにしえ)のメロディーを歌い始める。これは、もう、哲学的ともいえる世界。例えば、カラカラカラ・・を、アフリカの乾いた風の音と捉える人もいるだろうし、まわり続ける輪廻転生、過ぎゆく時の象徴と感じる人もいるだろう。トポポポ~~ンを、命の水と捉えるか?歌声は祈りなのか誕生の産声なのか?母の胎内にいるときに聴いた懐かしい音なのか?臼と杵のゴッ・・ゴッゴッ・・・は、、、、? 聴く人次第で、どうにでも旅出来るひととき。一歩間違うと荒唐無稽になりかねないギリギリの所を、オズワルドの圧倒的なアーティスト魂の本気が会場を完全制覇。音響照明チームのサポートの力も絶大だと思う。特に音響なくしては、彼の繊細で深い世界は伝わらないから。シーンと静まりかえった来賓。あらら、車輪が止まっちゃったよ?すると、当然のように自転車の方に歩み寄り、またペダルを手でこいで車輪に勢いをつけて回す。もう、脱帽です。

さて、この日の午後は、盛り上がりPOP系の「オズワル&ンザサ・ミュージック」の演奏もあり、もちろん、<白い歯キラリのhappyワイルド千手観音の世界>+<ンザサ・ミュージックの世界>で大盛り上がりでした。